どうもこのトコロ“秋”というものがハッキリと無いような気がするのだが、今年もイキナリ糞寒い冬野郎到来といった感じで、引っ越して新しい住まいでの室温調節みたいなものも慣れていないこともあり、案の定風邪をひいてしまった。
と、ようやく体調も清水健太郎のVシネ復帰程度には戻りつつアリとなったところでアキバへと向かいCUE氏と合流すると、なんとコチラも病み上がりというか、あんまし上がってない、いや上がって無くね、みたいなマミーDのライム状態だという。
というのもあり、どこにすっかと検討した挙句、メーテルリンク『青い鳥』のように着地したのが毎度おなじみ万世である。まぁ、こういった時は近場が一番なのである。
さて、ここ最近の万世の変化として、一階がスリーエフとのコラボコンビニになったってのがある。
イロイロと経営的な部分での変化があってからの万世は妙にアグレッシブ変化を続けており、その一環としてのものなわけだが、須田町交差点の方のコンビニも潰れて(というかビルの建て替え)いるので、勝算があっての流れなんだろうけど、オールド万世ファンとしてはやや面食らう部分も無きにしもあらずである。
24時間万世商品が帰るってのは、確かに飲んだ後に万カツ買えたりして良いような気もするけど。
すでに上の写真にもおもいっきり出ているが、万世入り口前に立看としても押されているのが今回潜入する「大人のドリンクバー」である。何だこのネーミングの安風俗っぽさは。
ナンカこんなのが始まったとかいうのは耳に入っていたのだが、CUE氏も万世のtwitterアカウントがクサルほどツイートしてくるので、何となく頭に残っていて万世ということになったらしいのである。
正直言うと、この時点では二名とも、恐らく場末のピンサロ並にダメであろうし、むしろそのダメなトコロをどう料理して味わってやろうという気分だったのだが、その後以外な逆転劇というか、どっちか言うと片桐機長止めてください!みたいな逆噴射現象が待っているとは思いもよらなかったのである。
大人のドリンクバーは地下の居酒屋「呉越同舟」のオプション店(?)なので、とっとと地下へと向かう階段へ。
さて、この「呉越同舟」もココ最近変化が激しい店だったりする。
どうも“気軽に入れる店”という方向にふったらしく、人気メニューで個人的にも好きだった骨付き唐揚げを廃止するなどして簡略化、椅子なども背もたれナシのものに変わったりしていったのだが、どういうわけだかローストビーフの切り分けという手間のかかるものも始めたりして、昔から来ている自分からするとやや迷走しているような気がしないでもない変化が続いている。
大人のドリンクバーもその流れなのか?という。
階段を降りて行くと、親切にも終電時間表のようなものがあるんだけど、よく見たら「モーすぐ終電の時間ですよ~モー一杯どうぞ」なんて書いてある。いや、一杯飲んだら帰れないだろ。
「呉越同舟」の入り口に来ると店員が「ビアホールかドリンクバーどちらですか?」と聞いてきたので「ドリンクバー」と言うと、「こちらへ」奥の方を指さすので、そちらに目をやると、テレビ埼玉の素人カラオケ番組風ステージライトがまたたいている。すんばらしく安い。
確かこっちって以前パーコー麺とか食う店があって、それが一階に行ってからは空いていたと思ったが、そこ改装したんだな。
中に入って行くと、これまたやっすいミラーボールがグリグリしていて、どこぞの地方都市でイケない接待でもされているような気分になる。
それでありながら、戦国武将たちが仲良く酒盛りみたいな「呉越同舟」っていう店のコンセプトはしっかりと守られており、部屋名に「信玄」とか付いていたりして、このチグハグ感がたまらない。多分国内でも一二を争うくらい威厳のない「信玄」だと思う。
ついでに「信玄」内には何故か赤穂義士関連の絵もあったりして。というか、吉良と仲良くしちゃったら、あいつら義士にはなんなかったわけで、タダのサムライなんだが。
その「信玄」で席につくと、店員が大体のルール説明をしてくるのだが、面倒なので適当に聞き流しつつ、これまた適当に食い物を注文して、早速ドリンクバーゾーンへと向かう。
なお、食い物関連は安定の万世なので、そちらの心配は全く無い。
高級風俗の待合室っぽい間接照明で照らされているドリンクバーゾーンには、思ったよりも酒の種類があった。冷蔵庫には冷酒・マッコリ。お湯割りにするためのポット等結構細かい。まぁ当然ながら微妙な銘柄、というか銘柄自体よーわからん酒中心だけど。
奥の大型冷蔵庫にジョッキが冷えていて、それを取って酒を注ぐという仕組み。最初なんでお約束プラス様子見として普通にビールを注いで席に戻る。
ビール次ぐ奴はジャングルビアガーデンでも使ってたもんだな。
と、戻って毎度おなじみな感じでボンクラな話をしながら食い物をツマンでいたのだが、奥のドリンクゾーンから笑い声が聞こえてくるのである。最近じゃあんまし聞かない、キャバレーで騒ぐオッサンのような感じの。オッサンの嬌声というか。
というわけで、二回目は各々ドリンクゾーンで適当な酒を作ったりしたのだが、コレが結構楽しいのである。
「大人のドリンクバー」というネーミングのまんま、ガキの頃ファミレスでイロイロ混ぜて怪しいジュースを作ったりしたのを思い出す感じ。レゴっぽさというかね。
なるほど、オッサン達が嬌声を上げるのも分かる、分かる。駄菓子屋ソースせんべい風味でもあるしな。
しかし、ポンプ式の安酒が並んでいる風景は場末のキャバクラっぽくてナカナカ味わいがある。
その中にモヒートの素を見つけたんだが、CUE氏とモンダミンみたいじゃね、健康センターの謎メーカーボディシャンプーっぽいとか言い合ったりして。端っこに並んでるってのも借金して堕ちてきた風でよろしい。
席に戻ってCUE氏がリーマン集団の上司っぽいのが自分で喜んで注ぎに行くってのは、下の人間の負担が減って良いのではないかと指摘する。なるほど。
こういったアトラクション的な飲み方だと、確かに営業系のマウンティング飲み会なんかだと負担はカナリ減りそうだ。めんどくせえのは変わんないだろうけど、避けられないアナタに是非オススメしたい。まぁマウンティング自体が好きなオッサンにはダメだけどね。
ここで入った時から気になっていた自分の斜め前の中年カップルが帰り支度を始める。どうも女性側がこの店(とシステム)が気に入らなかったようである。
女性の方がいかにもバブルの弾の下を散々クグッてきたみたいな勝新よろしくの古年兵風であり、相手の田村高廣風にやや気弱なちょいワルオヤジ。どー考えても気に入らないだろうに、何考えて連れてきたんだ。自尊心が立たなきゃダメな人を立てなくて楽なトコロに連れてきじゃダメだっつーの。
勝新がとっとと出ていき、田村高廣が追いかけるように去っていったが、この兵隊やくざカップルは何処ぞ別の戦場へと向かうのであろう。男性に幸あらんことを。
そんな寸劇を傍目に自分らはどうしようもなくケミカルな風味の酒に当って喜んだり、配合を間違えて無理やりレモンでどうにかしてみて喜んだりと、しっかりと楽しませてもらったんだけど、やはりコレは人を選ぶな。チト触れたように、おままごとなもんじゃなくてミニ四駆なんだよね。あくまで男の子的なものの肯定。
さっきから風俗っぽいみたいな話が出てるけど、店のスタンスはそれを肯定する黒ギャルっぽいスタンスなんだな。もちろんギャルっつっても、オタクが勝手に自分たちを受け入れてくれると想像しているギャル像なんじゃねって話はCUE氏ともしたんだけど。
そういった意味では実は非常に秋葉原的なスタイルなんじゃなかろうか。品川ナンバーのウインドウにスモークの入った胡散臭い車に乗ってる奴らが経営しているメイド喫茶なんかよりはよっぽどこの土地に合った店だと言える。
店の営業方針迷走の果ての菊池桃子とラ・ムーみたいなもんなのかもしれないが、非常に微妙な混合によって生まれたカクテルであることは間違いないので、まぁネタ的にも無くなっちゃう前に一度行ってみた方がいいんじゃないでしょうか。
そんなトコロで以上。
肉の万世 呉越同舟・大人のドリンクバー
住所:東京都千代田区神田須田町2-21
電話:03-5294-1220
営業時間:ディナー17:00~23:00(L.O)23:30(CLOSE)
定休日:日曜定休
東京都千代田区神田須田町2丁目21
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